愛媛県伊予市双海町は伊予灘に面した静かな港町。
海岸線に面した道の駅「シーサイド公園」は多くの観光客や地元大学生が訪れる人気の場所である。
漁業も盛んでタイやハモ、高級魚マナガツオなども水揚げされる。

また「しずむ夕日が立ちどまる町」という印象的なキャッチフレーズで物語のある地域づくりに成功した町である。

今回は沈む夕日を立ち止まらせた男「若松進一さん」のお話をお伝えします。

若松進一さん(写真右)

若松進一さん(写真右)吹屋を案内中

愛媛県を代表するリーダーとして観光カリスマにも認定されている。
現職は夕日のミュージアム名誉会長・人間牧場主・年輪塾塾長。

若松進一さんは、愛媛県伊予郡双海町下灘(現在は伊予市)出身。愛媛県立宇和島水産高等学校漁業科を卒業後、家業の漁業に就く。
青年団活動で愛媛県青年団連合会会長、四国四県青年団連絡協議会会長などを歴任。総理府第10回青年の船班長としてアメリカ・メキシコを訪問。リーダーシップを見込まれて双海町役場に入庁。広報、社会教育主事等を担当。1994年地域振興課長、2003年教育長などを歴任。2003年観光カリスマとして認定された。

自由人若松進一 

肩書は自由人 若松進一、もしくはサンデー毎日 若松進一でと話されていた

さて、若松進一さんと言えば「沈む夕日を止めた男」として有名であるが、その他にも数々の町おこしを実践されており、5/16に開催された高梁市での講演会では、ウソのような本当の話を面白おかしく紹介して頂きました。

若松さんの名刺にはこのようなイラストが描かれている

若松さんの名刺にはこのようなイラストが描かれている

■煙会所(えんかいしょ)

自分の家の敷地内に「煙会所」という私設公民館を開いている。大きさはなんと4畳半!!
中心にはいろりが掘ってあり、いろりを囲んでの煙会を行っている。
いつの時代も青年の輝きが必要と感じたのがキッカケ。地元青年達に教育を行ってきた。
ここから生まれたアイデアが今の双海町のキッカケにもなっている。

■菜の花のお話

菜の花畑をJR予讃線の沿線に作ろうと提案したら、JRに断られた。
モグラが来て、線路がめちゃくちゃになるからダメです!!
じゃあそこに生えている菜の花は良いのですか?
「これは野生だから良いのです」

若:あそこの草は良いの? JR:あれは野生ですのでOK

若:あそこの草は良いの? JR:それは野生なのでOKです。

そこで気づいた若松さん。蒔くのはダメだけど、勝手に生えるのはOKだと。
双海の女性会「エプロン会」を集めて何やら作戦会議・・・
「皆さん、エプロンにポケットを粗く縫ってください!完成したら、種をポケットにパンパンに入れて沿線を歩いてください」
あら不思議、気づいたら菜の花畑ができているではありませんか!

まさかエプロン作戦が始まりだったとは、この家族も知らないだろう。

まさかエプロン作戦が始まりだったとは、この家族も知らないだろう。

JRがカンカンになって、「若松さん!!!なんで沿線が菜の花畑になっているんだ!?」と
「そんな事は花に聞いてください、種は蒔いていませんよ」と若松さん。
その後、沿線は毎年7~8万人の観光地になり、JRも菜の花トロッコを走らせるようになったとさ。

終わりよければ、全てよし。水色の列車が映える

野生の菜の花の群生地らしいです めでたしめでたし。

■夕日の話

ある日、取材をしたいとNHKから電話があり、対応することに。
しかし、NHKの取材班が駅を間違って「上灘駅」ではなく「下灘駅」で降りてしまった。
迎えに行ったら、取材班が夕日を見ながらボーッとしていた。
どうしたんですか?と若松さん。
「こんな綺麗な夕日を見たのは初めて!感動した」と

いつも眺めていた夕日の美しさの価値を、外の人に気づかされた瞬間であった。

双海町の夕日 晴れた日は本当に美しい。この日は60点位の美しさだと思う。

双海町の夕日 晴れた日は本当に美しい。この日は個人的に60点位の美しさ。

気付かされた地域資源
全国の夕日と比較、自分の町の夕日も十分通用すると感じた。
煙会所に青年を集めて、夕日と聞いて何がしたいと聞いた。
「夕日をバックにコンサートをしたい」
場所は?
無人駅下灘駅でしよう!!
みんなでお金を集めて、夕焼けコンサートを実施することに。

JRになんとか認めてもらいスタート。町長は成功するわけがないと半信半疑・・・
蓋を開けてみると1,000人もの人がやってきた。
それから30年、夕焼けコンサートは現在も続いている。

誰だってスターになれる。そう!双海の夕日があればね

誰だってスターになれる。そう!双海の夕日があればね

■拠点づくり

75億円かけて、シーサイド公園・潮風ふれあい公園・下灘漁港の整備を行った
議会で赤字になったらどうするんだと言われ、黒いマジックで塗りつぶしますと答えたが
内心、胃に穴が空きそうな事業であったと若松さん。
地元の信頼を得るために、毎朝砂浜の掃除を行った。12年間毎日掃除を行った。
5年経った頃に、反対していた議員さんも一緒に掃除をするようになってきた。
掃除をすることで少しずつ風向きが変わってきた。

この功績が認められ、国土交通省観光カリスマに認定された。

年間120日もの講演活動を行っている。

現在は年間120日もの講演活動を行われている。

その後、これらの施設は年間55万人の集客をほこる施設となり。
ロマンチックな夕日を見にくるカップルが増え、愛媛を代表するデートスポットになった。
地魚を使ったじゃこ天やみかんを使ったソフトクリームなど、大ヒット商品も生み出した。
UCCコーヒーをもじった「ユーヒーヒーコーヒー」も作ったが、大人の事情で商品化ならず。

最近誕生した鱧カツバーガーも大人気商品。双海町よ一体どこまで儲けるんだ。

最近誕生した鱧カツバーガーも大人気商品。双海町よ一体どこまで儲けるんだ。

観光の基本は掃除
掃除は簡単で誰にもできるけど、奥が深いとも言われていた。
「掃除は人の心を変える、掃除をしている背中から学ぶ事は多い」

掃除の背中から、カップルの背中まで。双海の背中は色々な物語がある。

掃除の背中から、カップルの背中まで。双海の背中は色々な物語がある。

次回は高梁市で講演された「まちづくりの新しい風」についてお送りします。
病気にならなければ毎日火曜日更新予定のタカセブネ通信。お楽しみに~