カンカンカンカン!!
成羽川の河川敷に釘を打つ音が鳴り響いた。
高梁市成羽町が1年で最も賑やかな1日がはじまろうとしている。

「成羽愛宕大花火」江戸時代から300年以上続く伝統の花火で、日本でも珍しい「動く仕掛け花火」が特徴である。

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300年続くカラクリ花火だニャン

愛宕花火秘伝の基は、「カラクリ」にあった。 毎年、「大力ラクリ」三つ位が仕組まれ、「カラクリ」は、カラクリ場が設けられ、大導火によって、一瞬にして構図前面に点火する法であった。 構図は、専門の絵師が下絵を描き、大規模で大変華やかなものであった。 その他、「ホタル」・「サクラ」・「シャグマ」と呼ばれる仕掛もあったという (成羽愛宕大花火 流星奉行物語より)

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かつてのカラクリ花火の解説

300年前から続く伝統の花火大会のカラクリ部分は、驚くことに設計から組立、設置までを地元ボランティアでやっている。成羽の人達の花火にかけるアツい思いが伝わってくる。
「毎年この時期になると夏が来たと感じる。成羽の花火は短期集中でガーッと作り上げる。」
と地元の人が言うように、1週間で木枠の組み立てから設置、打ち上げまで行う。

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火薬を取り付ける木枠づくりは100人近いボランティアが参加した

この日の成羽川河川敷も地元のおっちゃん、魚屋、肉屋、大工、学生、市職員など皆さん仕事そっちのけで、100人近い人が仕掛け花火の木枠をつくっていた。
集合は六時半であったが、六時に着いた頃にはもう何個かの木枠は完成しており、遅刻していったような気分になってしまった。

ということで、実際に火薬を取り付ける木枠を作ってみた。
下絵の線に沿って、木で枠や線を作り、釘を打ち込んでいくのだが、曲線部分を直線の木で作るのは思った以上に難しい。

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チョークで書かれた下絵に沿って木枠を作る 曲線が難しい

そして、ここはアツいぜ高梁と謳っている岡山県高梁市。夕方とはいえ、河原は非常に熱くジリジリと体力を奪う。
釘を打ち、はみ出た部分の木を切る。これの繰り返しで作品を作り上げる。実にシンプルな作業である。

「お前、カナヅチ使ったことないやろ~ヘッタクソやな!」
と地元のおっちゃんの指導を受けながら、黙々と作業する。
まわりを見ると、魚屋さんや電気屋、大工など業種もぜんぜん違う人達が同じ作業をしているのが温かくていい。
300年も続く歴史ある大会なので、みんな子どもの時から関わっていて体に染み付いているのだろう。

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「ここに釘を打てと!指導が入る」このような重鎮が数多くおられます

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川の流れまで変えてしまう成羽の人達、もう誰も止めることは出来ない

それと同時進行で、木枠を設置する土台を対岸に作るのだが、重機を使って水の流れを変え土台を作っている。こちらも成羽のオヤジ並に豪快である。写真を撮っている暇もないくらいスピーディかつ豪快に作業は進み、一時間ほどで作業は終了し見事な型枠が出来上がった。
今週末には型枠に免許を持ったボランティアが火薬を取り付け、成羽川の対岸に設置する。

自分たちで出来ることは何でも おかげで予算も抑えられている

自分たちで出来ることは何でも おかげで予算も抑えられている

 

そして花火大会当日、成羽の選ばれた若者は「流星奉行」となる

旧藩時代の花火調製は、藩士の中に各々の家元があり、秘伝を伝える子弟は十歳前後から花火作りの小使役を努め、その報酬として十三歳になると流星花火二本をもらい、一人前として仕掛花火の操件に加わる事を許されました。

この流星から、花火という毎年夏の一夜の喜びを与えてくれる若手家臣が、民衆から「流星奉行」と称えられるようになったものです。

平成8年に成羽商工会青年部が明治維新とともに廃れていた、流星奉行を復活させ地域おこしにつなげようと取り組み、流星奉行は復活した。
花火当日早朝、愛宕山項の神社に参拝し、夜の本番では仕掛花火への点火の合図となる綱火に点火する役を担う。

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素晴らしくカッコイイ流星奉行は花火大会の華形的な存在

カッコイイ姿であるが、火薬の破片や火花が飛んでくるキケンな役割なのである。
そんな数多くの人が関わる成羽愛宕大花火は7月25日20時~成羽町下原の河川敷で開催されます。
動くカラクリ仕掛け花火や滝の様に流れる「銀滝」など見どころ満載です。
お楽しみに!

http://www.kawakin.net/atago/  成羽愛宕大花火