昨今、健康食品として各メディアで紹介され全国的に注目を集めている食品の一つにもち麦がある。
市場に出れば即完売するほど人気のもち麦だが、高梁市宇治町に、もち麦をはじめとした雑穀を栽培・販売している団体がある。
それが宇治町で結成された宇治雑穀研究会(以下、研究会)である。

もともとは地域の有志で結成された団体であり、その名の通りもち麦をはじめとした雑穀の栽培、販売に取り組んでいる。会員は皆、昔から宇治に住み、稲作にも豊富な経験、知識を持つ人たちばかり。耕作放棄地の解消、宇治町の気候を活かした特産品開発による地元PRのために立ち上がった。

こうして未来の特産品候補としてもち麦の栽培を始めたが、ほどなくしてもち麦がテレビで健康食品として紹介されると一気に人気が爆発。同会で栽培しているもち麦も、一年の収穫量が数ヶ月のうちに完売してしまう状況だという。

そもそももち麦とはどのようなものかというと、大麦の一種で、他の雑穀同様、主に米と混ぜ合わせ、一緒に炊きあげて食される。弾力ある食感を楽しめるほか、食物繊維を豊富に含み、手軽に栄養を摂取することができる。グルテンを含んでいないのでダイエットにも最適である。

研究会のもち麦は「きらりもち」という品種で、一般的なものより更に多く食物繊維を含んでいる。特に顕著なのが水溶性食物繊維β-グルカンという成分で、普通のもち麦と比較して二倍近い含有量であるという。
「きらりもち」の食物繊維含有量がどのくらいかというと、白米に三割混ぜて炊いた場合、茶碗一杯でレタス半個分の食物繊維が摂れる計算になるという。あくまで計算なので誤差はあるだろうが、それでも驚くべき数値だ。

研究会では、圧倒的な需要に応えるため、昨年度より栽培量を大幅に増量。6月には収穫となるということで、今から楽しみだ。

収穫したもち麦はパック詰めされて道の駅、市内各店などで販売されるしかし、今年度はそれだけでなく、もう一つ目玉となる商品がある。それが「もち麦地ビール」である。

もともと市内の高校生のアイデアでシフォンケーキの販売が始まるなど、6次化商品の開発には前向きだったが、会員の中から「もち麦でビールが造れないのか」と声が挙がったことがきっかけで昨年度から試作を開始。県内のビール醸造会社に委託して200リットルが試作された。

完成後、会員一同あつまって試飲会を開催。「うまい」「飲みやすい」会員それぞれから挙がる声に確かな手応えを感じた。
その後、今度は市内外の関係者を招待しての試飲会も催された。出席者からは好評が寄せられ、試作一年目で商品化の話が動き出した。

優れているのは味だけではなかった。調査の結果、きらりもちの特長の一つであるβ-グルカンが、ビールの状態になっても残っていることが判明したのだ。健康効果が期待されるビールとしてPRができる可能性がある。

現在は商品化に向けてラベル等のデザインをデザイナーに委託。また、研究会ではアルコール類の販売許可を取得すべく準備を開始している。販売が始まれば高梁市初の地ビールである。市内外から注目が集まっている。

「雑穀研究会は地域のために結成した組織。研究会の取組が宇治町の活性化に繋がれば」とは研究会の会員N氏の弁。
現在、研究会は一般社団法人化を検討中だという。ますますパワーアップしてゆく宇治雑穀研究会。今後も同会の同行から目を離せない。

6月18日にはイベントも開催される!

http://uji-irodori.info 宇治町HP