現高梁市成羽町布寄でピオーネの栽培を行なっている松村さん。大阪から移住して2年目となる今年から、圃場(ほじょう)を借りて、ピオーネの生産を始めた。

種無しで食べられるピオーネ。筆者も移住したばかりの時、その粒の大きさと甘さに腰を抜かし、ピオーネのある高梁の印象がかなり上がった。
移住相談の中でもこのピオーネ就農に関する相談は多い。しかし農業は難しい、キツイ、お金がかかるといったイメージも拭えない。

実際のところはどうなんだろう?農家になった先にはどんな世界が待っているんだろう?松村さんに伺ってみた。

移住して農業に励む松村さん

結婚前から奥さんと田舎暮らしをしたいと話をしていた。そして、結婚して5年のタイミングで、移住をしようと動き始める。場所は大阪からの距離や果樹栽培のできる場所を考えたところ、岡山県が候補に上がった。

高梁を知ったきっかけは大阪で開催された高梁市のイベント「ElevenVillage文化祭」に参加したこと。イベント後、高梁市の移住担当課(住もうよ高梁推進課)に行ったところ、担当の人や移住コンシェルジュの人当たりが良く、対応が良かったことに好感が持て、この町で農家になることを決めた。

高梁と都会が緩やかにつながるイベントelevenvillage文化祭で高梁のことを知った

高梁市には新規就農者のための研修制度がある。松村さんは同じ地域でピオーネ生産している地域の人がいたため、研修として1年間修行させてもらえた。
修行を通して、費用や栽培スケジュールなど頭だけではなく、体でも少しづつわかってきた。
ピオーネ栽培を始めるにあたり、農地の確保も重要だが、冠水施設や防除機械、運搬車も必要で、それぞれ安くはない、お金もかなり必要な事も分かってきた。(まとまった栽培農地はなかなか見つからない)

縁あって圃場が借りられたため、今年から栽培を始める。

ピオーネは5月初旬から芽が出始め、5月下旬には棚が緑の世界に変わるらしい。聞いていた筆者もこれはぜひ見てみたいと思った。そして、7月頃になると果実に袋掛けをしていく。ここが忙しさの1回目のピーク。その後、9月から10月にかけて出来上がった果実を収穫する。2回目のピークの到来であるが収穫の嬉しさに苦労が報われるという。収穫が終わると、土を耕したり、剪定を進めたりして翌年の生産に備えていく。年間を通して、まとまった休みはなく、土と木と向き合って暮らしていく。そうして、一つ一つ手間をかけることで美味しく、宝石のように美しい大粒のピオーネができる。

ピオーネの新芽。今年は一体どんなピオーネができるのか、また話を聞きに行きたい。

高梁に移住して、2年が経った。
高梁の良いところは、地域の人も協力的な方が多いことだそうだ。
行事も多くあるため地域の人と関わる機会が多く、信頼関係が作りやすい。そうしてできた信頼関係から、技術を教わったり、手伝ってもらったりといった良好な関係を作れている。

地域の人たちが整備した菜の花畑。とても美しい。

最後に松村さんからのアドバイス。
「移住するにあたり、出来るだけ地域に通って、行事に参加してコミュニケーションをとった方がいいですよ。地域は情報がつながっています。地域の人に、これからずっと住んでいく、とアピールしていれば、通っているうちに良い話が浮上してきます。地元の人と接触する機会を大事にしてください。」

松村さんの顔は輝いていた。やりたいことにチャレンジしているからこそできる顔だと思う。

地域活動にも積極的に協力する松村さん、圃場を借りられたり、道具を借りたりできるのも、こういった日々の取り組みが繋がっている。地域は繋がりが何より大事だと感じた。
またピオーネができる頃に伺いたいと思います。ありがとうございました。