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地域に生きるVol.3 方谷の里のドライピオーネ

山田方谷という人物をご存知だろうか。
恥ずかしながら私は高梁市に住み始めるまで知らなかった。
山田方谷は高梁市中井町の農家に生まれ、儒学者として松山藩主・板倉勝静に仕え、幕末から明治の時代に多くの人材を育てて松山藩を立て直した人物である。
詳細を書き出すと長くなるので抜粋したが、高梁にとってとても重要な人物だ。
中井町には、方谷の里ふれあいセンターや方谷園などの関連施設もあり、訪れる観光客も少なくないらしい。

方谷園は祈念碑設置のほか、山田方谷の墓所にもなっている。

山田方谷が由来となった駅もある

方谷の生まれ育った地、中井町に暮らす人たちによって結成されたのが『方谷の里農産加工部』である。
方谷の里農産加工部の商品の一つにドライピオーネ(干しぶどう)がある。
高梁名産のピオーネ!まず、驚くのがその粒の大きさである。レーズンしか印象になかった私を驚かすには十分すぎる大きさ。食べてみると、これが美味い!
大粒なので果肉が厚く、噛めば噛むほどピオーネの美味しさが滲み出てくる。手が止まらない。すぐなくなり、贅沢な余韻だけが残る。

これがそのドライピオーネだ!

普通に食べるだけでも美味しいピオーネを、どうしてドライピオーネとして作るようになったのか、方谷の里農産加工部の部長である横山さんにお話を伺ってみた。

方谷の里農産加工部の横山さん

元々は地域の生活改善センターで家庭用の味噌や豆腐を製造していて、それを残していきたい!というみんなの想いが集まり、平成8年に方谷の里農産加工部を設立した。
当初は味噌や豆腐がメインだったが、少しずつ商品を増やしていく中で、新たな商品を考えていた時に、加工場にある乾燥機を利用してピオーネの干しぶどうを作ってみないか、と農業普及指導センターからの勧めがあり平成22年から作り始めたという。

ドライピオーネはここでできている

乾燥機は2台体制

乾燥を終えたドライピオーネ!輝いている!

最初は地産地消しよう!からスタートしたこの取り組みだったが、地元の食材を手作りで使っていることが好評で、地元から岡山へ、そして東京へと少しずつ販売ルートを拡大でき始めている。
「このドライピオーネを雲海ピオーネとして、東京や大阪などの都市圏を始め、全国に高梁の名を広めていくのが夢なんだ!」
と語る横山さんからは、ドライピオーネに対する熱い思いが伝わってくる。
高梁産のピオーネから作られたとびきり贅沢なドライピオーネ。
こだわりの一品をぜひ食べてみてください。

方谷の里農産加工部へのお問い合わせはこちらから
http://sumatoku.jp/houkoku/index.php

取材: 新田涼平