山奥の隠れ家カフェ!大谷さん

高梁市内から成羽町へ向かう途中、成羽川にかかる橋の手前を右に曲がってしばらく走ると、小高い丘の上に一軒のカフェが見えてくる。高梁市落合町福地(しろち)という縁起のいい地域にそのカフェはある。町中から道一本入った、里山の雰囲気が最高に気持ちいい道をドライブしながら、決して、満足とは言えない案内板を信じて、ジブリの世界のような道を進んでいくと、なんとも雰囲気のあるお店が出てくる。

ジブリの世界観にワクワク

可愛い看板がお出迎え

「tulenote」=ツレノーテと読む。格好いい名前だなと感心していると、どうやら高梁の方言だという。
つれのうて=「一緒にみんなで」という意味だとか。
カフェのオーナーは大谷大輔さん、みんなからは大ちゃんと呼ばれている。
兵庫県西宮市生まれ、いろいろあって14年前に川上町にやってきたのだという。

雰囲気のあるお店とオーナー

移住当時は「自然卵養鶏」という平飼いで養鶏をやっていたのだが、川上町で発生した鳥インフルエンザの影響で養鶏を諦め、以前から興味のあった珈琲の焙煎の世界に足を踏み入れるようになったそうだ。

今のお店を構える前はワーゲンバスに乗って移動販売で岡山県内を廻る珈琲屋をしていた。
しずくちゃんという、可愛らしいワーゲンバスが大ちゃんの相棒だった。今にも止まりそうな音を立てながら、懸命に走るしずくちゃんと大ちゃんのコーヒー旅は始まった。移動販売でコーヒーを淹れたり、自家焙煎した豆を販売したりしながら、病気がちなしづくちゃんとの旅は3年ほど続いた。
しかしある日突然、「しずくちゃん」と大ちゃんの旅は終わりを迎えた。
しずくちゃん48歳「自動車としては大往生だよねー」と大ちゃんはしみじみと話す。
その後、吹屋での1年足らずの珈琲屋の営業を経て、2017年10月、現在の店をオープンさせた。

木のぬくもりが感じられる落ち着いたカフェ

道具も買うことができるらしい

私は高梁に移住するまで、美味しいコーヒーを飲んだことがなかった。成人になりたてに飲んだビールのように、インスタントなコーヒーを味わうことなく、どこか流し込むイメージがあった。
それが、大ちゃんのコーヒーに出会って大きく変わった。ケニア・マンデリン・イルガなんちゃら・・・
おすすめしてくれるコーヒーどれも個性があって、同じコーヒーでもここまで違うのかと驚いた。

缶コーヒーしか縁がなかった筆者を少し大人にさせてくれるメニュー

目の前で、ポタポタ落ちるコーヒーを見ながら小さめのカップに溜まった極上のコーヒーをくいっと飲む。
あぁなんという贅沢な空間なんだろう。夜のビール、昼のコーヒーはどこか自分を遠い場所に連れて行ってくれる。

そんな、ほっと安らぐツレノーテさんでは、飲むだけではなく、豆や粉、ドリップパックも購入することができます。
最後に、これからここをどんなお店にしたいですか?
「コーヒーの楽しみ方って、いろいろあると思うんだよね、。飲むだけじゃなく淹れる、煎く(やく)、語る」
人によって色んな楽しみ方があっていいと思う。
その人それぞれの楽しみ方につれのーて行けたら最高じゃないかな?」
里山の雰囲気を味わいながら、ほっと贅沢な時間を過ごして見ませんか。

取材:佐藤拓也