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特集【他所の取り組み】笑んがわ市ってなんだ?

高梁市から広島、島根の県境を超えて約2時間半の場所にある島根県雲南市。
山に囲まれたのどかな環境は高梁市と似ていて、ここが島根県であることを忘れてしまう。
まぁそれもそのはず、島根県で唯一海に接していない地域が雲南市なのである。

島根県雲南市人口約600人の中野地区にある旧JA跡地で開催される「笑んがわ市」。
普段はただの空き家なのだが、毎週木曜日になるとどこからともなく人が集まるパワースポットになるのだとか。

さて、快適に飛ばしたおかげでオープン30分前に到着・・・すると。

なにやらもうすでに行列ができているではありませんか

なにやらもうすでに行列ができているではありませんか

この時は「笑んがわ市」という存在が一体何のことか分からず、何を待っているのか、これから何が始まるのかが分からず戸惑っていた。
移動販売の魚屋さんが来ているが、そこまで殺到している感じでもない。どうやら、この建物の中にヒントがあるようだ!オープン前なのに空気を読まずに店に入ってみたが・・・野菜や生活用品が並べられているだけ。
ムムム?笑んがわ市とは、週一回のマーケットの事なのか?

そうこうしているうちに長蛇の列が!!

そうこうしているうちに長蛇の列が!!

木曜日を楽しみに待っていた人たちが並ぶ・並ぶ・並ぶ!車・徒歩どこからともなく現れる人たち。
あっという間に行列ができました。
さぁオープンの10時になった!「さぁ!笑んがわ市よ!お前の魅力を見せる時が来たのだ!!」

やはり!やはり!買い物が目当てなのね

やはり!やはり!買い物が目当てなのね

レジも長蛇の列 ここまでオープンから10分

レジも長蛇の列 ここまでオープンから10分

一週間分の買い物ストレスから解放されたかのように買い物を楽しむ女性陣。
そうだよなー中山間部にはスーパーもなく商品を選んだりする場所が減ってきているんだもんな。
なるほどね。
「笑んがわ市よ!お前の正体は週一回開催されるスーパーだ!!」

しばらく見学して、笑んがわ市の正体も分かったので外で魚を眺めていた。

華麗な手さばきで魚を捌くオジちゃんに惚れそう。

華麗な手さばきで魚を捌くオジちゃんに惚れそう。

安くて新鮮なサカナ達。おじちゃん、宣伝しておいたよ!

安くて新鮮なサカナ達。おじちゃん、宣伝しておいたよ!

写真も撮れたし、ボチボチ帰ろうかと思ったとき、ある異変に気がついた。
「そういえば、入るお客はいるが、出てくる人の数が圧倒的に少ない!!」
一体これはどういうことだ?一体、中で何が行われているんだ!!!!

もう一度、中に入ってみると奥の部屋のほうが何やら騒がしい。

おそるおそる覗いてみた。

おそるおそる覗いてみた。なんだこの群衆は???

なんと、販売スペースの奥にさっきまで買い物をしていたお客さんが集っているではないか!
そして、何やら目の前にはごちそうが!これはバイキングなのか?しかし、時間は10時!ということはモーニングなのか?モーニング会場いっぱいに入り込んだおばあちゃん達。目視だけでも30人は超えている。

そうか!みんなこれが目当てだったのか!!これこそ「笑んがわ市」の正体だったのか!!
と言うことで、詳しそうな人に話を聞いてみた。

■笑んがわ市ってなんですか?
笑んがわ市は3年前にこの地域のJAが閉鎖をすると聞いて、地域組織で立ち上げました。
初めは地元の料理好きの主婦たちが集まり「ここで何か出来ないかな~」という気持ちから始まった取り組みです。

■どんな取り組みなんですか?
魚やパン、野菜などの販売コーナと200円でお茶・コーヒーが飲めるサロンコーナーがあります。
サロンで出される料理は3人当番制で作っていて、この地域で昔からある茶口(ちゃぐち)文化を取り入れました。
※この辺りの地域では農作業の休憩の時にはお茶と一緒に漬物や煮物などのオカズもでてくるのだとか。

ところ狭しと並んだ料理の数々

ところ狭しと並んだ料理の数々 これを茶口という

実際に自分も輪の中に混ぜてもらった。みなさん視察慣れをしているのか、ヨソモノに対しても寛容で色々と話が弾む。テーブルが円卓になっているのも交流が生まれやすく、工夫されている。テレビも音楽もない空間だがおばちゃんたちの賑やかな会話がBGMとなって、時間がたつのを忘れてしまう。
そして、茶口も美味しい!煮玉子や銀杏、煮しめなど料理好きのおばちゃん達の本気を感じた。
閉店は11時半頃だが、話は尽きること無く2次会や3次会もあるのだとか・・・すごいパワーである。

お茶が主役です。200円でお腹いっぱいになろうと思ってはいけない

お茶が主役です。200円でお腹いっぱいになろうと思ってはいけない

笑んがわ市の取り組みは買い物対策やコミニュティの場作りのモデルとして視察やメディアで注目されている。
これだけしっかりした場を提供する運営組織は、毎月運営会議などを行い、苦情や気づいたことを共有しながら方針を決められている。
毎週、美味しい料理と楽しい空間を提供する裏側には、ものすごい苦労と打ち合わせがあるんだろうなと・・・
でも、今日のお客さんの顔を見ると頑張ろうって気持ちになれるのも分かる。
朝の行列や陽気な魚屋さん、賑やかな会場を見ると地域のみんながこの空間を楽しみに、大事にしている事が伝わってくる。

高梁市の中山間地域でも導入したい取り組みでした。

http://www.unnan-kankou.jp/contents/gourmet/659 笑んがわ市

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