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第2回 やまびこ市場で手打ちそばの夢を見るか?

去る5月の3日から5日にかけて、ゴールデンウィークの真っ最中に、高梁市松原ではちょっとしたお祭りが開かれた。その名も「やまびこ市場 大感謝祭」。
やまびこ市場とは何か。松原町の有志が運営する農産物その他の直売所である。
毎週日曜日に運営しているのだが、野菜の取れない冬の間はお休み期間。この度は、冬があけ春が来て、2015年度のやまびこ市場がいよいよ始動、ということで三日間の大感謝祭をぶちあげようという訳なのである。

みなさんいかがお過ごしですか

みなさんいかがお過ごしですか

このやまびこ市場、「霧の海展望台」という場所に設営されているのだが、これが見晴らしが素晴らしく良い。
晴れの日は眼下に色鮮やかな山の緑が生い茂っているし、運が良いとこれら緑の上に雲海が広がって見える。

雄大な見晴らし

雄大な見晴らし

雲海とは山の頂上とかから見える雲の一団のこと。口に入れてもわたあめみたいに甘くはないし上で寝そべろうとすると体は地面に向かって真っ逆さまに落ちてゆくしかないのだけれど、眺める分にはこれほど雄大で美しい景色というのはそうそうない。

調子がいいともっとたくさん雲は出てきます

調子がいいともっとたくさん雲は出てきます

しかも、大感謝祭の期間中は鯉のぼりが大空に泳ぐように吊されている。大きい。数も多い。
鯉は滝を上って龍になる、というけれど、何かの拍子にこれらの鯉のぼりを束縛しているひもが切れて大空へ飛び上がっていったら、全長4メートルくらいの龍にならなれる気がする。
龍は水神である。きっと時間あたり0.5ミリくらいの雨なら降らせてくれるかもしれない。でもやっぱりそんな力は持っていないかもしれない。

実物はものすごい迫力です

実物はものすごい迫力です

今回の大感謝祭の「売り」は何も景観だけではない。 そばが食べられる。
使用するソバ粉は地元・松原産、地域の方が手打ちで作る田舎そばである。以前から市場の年度初めと最終日には度々作って販売していたそうだが、これが非常な人気で毎度毎回あっという間に売り切れてしまうという。

そんなに売れるの?写真もぶれてるし

そんなに売れるの?写真もぶれてるし

そんなに売れるってまじ?誇張はいってんじゃない?こちとら天下の大江戸八百八町で生まれ育った生粋の江戸っ子でえ、そばにかけっちゃあちょっと一家言持っておりますよ?ということで、実際に三日間でどれくらい売れるのか数えてみた。

楽しそうでしょう?

楽しそうでしょう?

新鮮なお野菜を売っています

新鮮なお野菜を売っています

客足が絶えぬとて忙しい

客足が絶えぬとて忙しい

初日から予想以上にお客さんが来る。しかも半数か、もしかするとそれ以上の人がそばを食べてゆく。こうなるといよいよその食味が気になり出す。どうしようと悶々としている時、試食を持ちかけられたので二つ返事で承諾した。

実食である。待っていたぜこの時を

実食である。待っていたぜこの時を

まず麺がおいしい。手打だからなのかなんなのか、二八そばらしいのだけど咀嚼すると芳醇なそばの香りが鼻を抜ける。でも何より私の気に入ったのはつゆであった。出汁が豊富に出ていて、そのまま飲んでもしょっぱすぎるようなことがない。それだけ旨味が強いのである。

しかしこれは困った。だってつゆって市販品でしょう。手打そばをほっぽらかしてつゆがおいしいですねえって、すごく褒めにくい。どうしよう。

長谷川「いや、麺がおいしいですね。やっぱり手打はうまいなあ」
地元の方「そうでしょう」
長谷川「あ、でも、このつゆもおいしいですね。出汁が出ていて。こりゃ、なかなかいいところのつゆを使っているのでしょうねえ」
地元の方「それも手作りなんだよ」

なんだよ。つゆも手作りなのかよ。悩んで損した。ていうかこれ手作りなの?めちゃくちゃおいしいんですけど。そばもおいしいしつゆもおいしいし。
こりゃシャッポ。シャッポを脱がざるを得ない。

天ぷらも販売。そばに乗せたら桃源郷

天ぷらも販売。そばに乗せたら桃源郷

それでやっぱりすごい人気で、あんまりお客さんが多いものだから厨房も会計も大恐慌を来たしつつ、なんとか三日間、地元産の野菜や漬け物、そばを売りさばいた。
そばの販売数は、初日は43杯、ちょっと用意数を増やした2日目は53杯、更に増やした最終日は65杯。いずれも完売であった。

うひゃあ第参使徒

うひゃあ第参使徒

松原の新しい魅力を発見した筆者。これを機にそば打ち修行を始めれば、いつかお店も開店できるんじゃない?と少し本気で考えた。

【松原町 公式ホームページ】
http://matubaratyou.web.fc2.com/