高梁市・「雲海のまち」松原町は、その名の通り雲海がよく見える。特にこれからの季節は気温が下がり、毎朝のように白い雲がそこらでふわふわしている。標高が高いから、日中の雲海が出ない時間でも見晴らしは良い。
ところでこの松原町、見えるのは雲海だけではない。
なんと、「大山と瀬戸内海が見えるらしい」との噂を聞いた。
本当だろうか。瀬戸内海といえば四国との境だし、大山だって鳥取県の山である。いくらなんでもそれは無茶なのではないか。
■大山編
松原の中心、市民センターで話を聞いてみた。
「大山が見えるって本当ですか?」
「本当だよ」
本当だった。
「そこに『大山が見えるポイント』っていうのがあるよ」
本当か。自分は思わず駆け出した。でも幾ら走っても『大山が見えるポイント』が見つからない。無論、大山も見えない。仕方がないのでまた市民センターに戻ってきた。
「大山見えないですけど」
「ええ。見えるよ。ほら、そこだよ」
そう言って案内されたのは市民センターの裏だった。こんなに近い所にあったのか。自分は見当違いの方向をぐるぐる走り廻っていた。
で、結論、大山は見えた。
見事!!
大山の白っぽい陰がややおぼろげながら松原の山々の向こうに見えている。噂は本当だったのだ。
いつでも見えるという訳ではないが、これからの季節は空気が澄んでいるから割合見やすい、とのこと。
■瀬戸内海編
大山が見えたと言うことで弥が上に瀬戸内海への期待値が高まる。しかし瀬戸内海である。海である。
一方松原と言えばこれはもう完全に山の中で、ここから海が見えるとはとても思えない。
でも。だが。大山が見えるというのは本当だったし。
意を決して市民センターで聞いてみると、
「見えないよ」との回答があった。
見えないのかよ。
でも落胆するにはまだ早い。瀬戸内海は見えないけれど、瀬戸大橋は見えるらしい。
瀬戸大橋が見えるだけでも充分である。
早速、教えてもらった場所へ向かった。
見えるポイントは思い切り民家の敷地内であった。自分は知らずに入ってしまい、後で住民の肩に事情を説明した。
で、肝心の瀬戸大橋である。
これが見えたのかというと、残念ながら見えなかった。
瀬戸大橋は大山以上に見ることはA難易度で、よほど空気が澄んでいても肉眼で見ることは至難の業らしい。ただし、夜になれば、ライトの灯りが見えることがあり、それで瀬戸大橋の場所が分かるのだという。
さすがに瀬戸内海は遠かった。だが先述の通り一般に「冬は空気が澄んでいる」というようなことが言われているので、これからの季節チャンスはあるかもしれない。とにかく大山は天気が良ければ見えるし、他にも見晴らしのよいところはたくさんあるからぜひたくさんの人に見に来てほしいです。
【松原町HP】
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【松原市民センター地図(裏に回れば大山が見える!)】
【大山HP】