(前回までのあらすじ)
夫婦岩の会発足10周年を記念したひまわり祭り。一日目のビアガーデンに顔を出した筆者はへらへらしつつも交通案内の役目を終えた。ひまわり祭りは二日目、ライブステージを迎えようとしていた。
夫婦岩は雄大である。そうして立っている場所の見晴らしが良い。眼下に臨む国道をミニチュアめいた自動車が往来するのも見ていて小気味が良い。こういうところで歌でも歌ったら非常に気持ちが良いのに相違ないと筆者は以前から考えていたが残念ながらひまわり祭りのステージに筆者の登壇予定はない。
もっとすごい人たちがばんばん出演するから筆者如き駆け出しシンガーソングライターの出る幕はないのである。本稿では皆さんの紹介は割愛するが、誰が出演するのかはじめて聞いた時に筆者はしたたかびびった。これも夫婦岩の会の皆さんの人脈であるという。どえりゃあことである。
昨日に続きビールや焼き鳥、うどん、カレーといった飲食物が販売されていてお腹も満足。しかも今回は、これも夫婦岩の会の皆さんの伝手で、岡山県内から様々の飲食点がサテライト店舗を設営、腕によりをかけたいろいろの絶品を売りに来てくれているのである。
食べ物以外ではおもちゃが当たるくじ引きなんかも出店されている。筆者は二回挑戦したがいずれも欲しいおもちゃの当選は適わなかった。
お手伝いの身とはいえステージ観覧を楽しみにしていた筆者の役目は前日に引き続き交通案内。主にお客さん車の駐車場への誘導・整理。ステージ前にちょうど良い感じの駐車スペースがある。適当に自動車の出し入れをしながらライブが観覧できる。暇だったら何台の車が来るか数えてみよう。
そう思っていたけれどいざ開場時間を迎えたら押し寄せる自動車の群れ。ものすごい来場者数である。自動車の数なんて10台を越えたところで数え切れなくなってしまった。
で、ステージ前の駐車場だけで全ての車の収容なんてとても適わず、夫婦岩下の路上に停めて頂くように案内することになった。そうなるとライブ観覧どころではない。会場と車の停められている路上を原動機付き自転車で往復しつつ自動車をさばく。そうこうしている間にライブは進む。
しかし仕方がない。これもたくさんのお客さんに楽しんで頂くためである。というか実はステージの音は交通案内中にも聞こえたのである。
無論、素晴らしい演奏である。
その後、案内が一段落したところで今なら持ち場を離れられると判断しステージに行こうとしたら岡山市から食べ物の販売に来てくれた方がボランティアで交通整理してくれているのを見て何も言えず持ち場に帰ったりしながら、ステージではライブが無事に進行してゆく。
最後には夫婦岩の会はじめ地域の皆さんによる吹屋小唄の実演で、全てのスケジュールが終了した。
後になって夫婦岩の会の方に聞いてみると来場者は500~600人はいたのではないかとのこと。しかし夫婦岩の会の皆さんとてイベント中は大車輪で働き回っていたのだから、来場者数をいちいち数えていた訳ではなく、もしかしたらもっとたくさん、それこそ1000人くらいの来場者があったとしてもおかしくはない。とにかくどえりゃあ人・人・人だったのである。
夫婦岩という地域資源を中心に据えてこういうイベントに仕立て上げる地元の方のバイタリティはちょっとすごい。(ステージの組み立ても地元の人が行っている。事実、ステージはイベント終了後、地元の人が当日中にきれいに解体してしまった)。これからも夫婦岩の会はすごい活躍をしそうである。筆者も見習いたい。