朝起きると、外が異様に暗い。
太陽の光を遮る暗雲の空。
外を走る車の音も聞こえない。
もしやと思い、薄着で外に飛び出すと、寒さを忘れる白銀の世界。
晴れの国、岡山とはよく言ったものだ。
【冬】
ようやく冬らしい季節になり、ひと安心している。
これだけ雪がふるのも、周りの人にとっては珍しいことではない。
高梁市の中で、最も標高の高いエリア、標高500mにある吹屋の冬はとても厳しい。
車に積もった雪を最低限落として、視界を確保しノロノロ運転で市内を目指す。
宇治ー高倉ー高梁市内・・・
向かうに連れて、雪が無くなっていく。
当たり前かもしれないが、雪がしっかり積もっているのは吹屋だけで、高梁市内はスタッドレスタイヤなんてものは必要ない。
雪を積んだ車は私だけで、誇らしいやら恥ずかしいやら・・・
幼稚園の先生が、わざわざ雪を吹屋に取りに行き、子どもたちを喜ばすと自慢気に話していた。
【春】
ぽかぽかの日差しがようやく、厳しい冬の終わりを感じさせてくれる。
冬が厳しすぎるからこそ、春は優しい。嬉しい。楽しい。
そして、春は美味しい。
子どもの頃から憧れだった。周りに生えている草を採って食べる。
春はそれが簡単に出来る。
前菜としてフキノトウが生え始める。
花が咲く前のツボミの状態が美味しい。1週間タイミングを逃すと、苦味が出てくる。
続いて、コゴミ・ツクシ・フキ・ワラビなどおひたし食材が食べてくれと言わんばかりに群れで現れ
山菜にも飽きてきた頃に、山菜の女王・王様コシアブラ・タラノメなどが食べごろになる。
こちらは天ぷらにして、岩塩などでいただきます。
厳しい冬を乗り越えたからこそ味わえる楽しさ。これは本当に贅沢だ。
【夏】
アツイぜ高梁!!という幟がアチコチで立てられて、
ニュースなどで高梁が全国で最高気温を計測しましたと沸く
多治見・四万十・熊谷などがライバルで、各地でアイツイぜキャンペーンをしている。
そんなアツイ戦いを横目に、山の生活は涼しいものである。
クーラーがついていない家も多く、日陰で十分暑さをしのげる。
夏野菜!!太陽の光をたっぷり浴びたピカピカの野菜!!
色もカラフルで、見ているだけで元気が出る。
庭の畑を少し耕して、水も雨任せ、放置していてもしっかり育つ。
この時期も野菜を買わなくてもすむ。ありがとう!!
毎週末、どこかしらで祭りが開催され、家にいるのがもったいない気分に。
備中松山踊り、成羽愛宕大花火、マンガ絵ぶた祭り
高梁の夏は退屈しない。
【秋】
いつもの景色がいつもじゃない高梁の秋
どこからともなく雲海が発生し、町を飲み込む。
市内は曇り空でも少し登れば絶景に出会え、神秘的な風景に息を呑む。
どこからともなく、ヒソヒソ話が聞こえてくる、
「昨日出たらしいぞ!!」「よし、ウチの山も行ってみよう」
道の駅はコイツの香りが充満し、ニヤニヤした大人が、ごっそり買っていく。
高梁もコイツの産地で、地元だと京都の半額以下で買えるのだとか
都会で、田舎暮らしの良さは何ですかと聞かれ、
「四季が感じられることです。」と必ず答える。
最近は冷夏・暖冬と少し環境がおかしくなっているが、
ようやく冬らしい景色になってくれて安心している。
田舎の人は口をそろえて言う
「高梁は何にもない!!何でこんな所にきたんだ」と
こんなにイイもの沢山あるのにな~
高梁の四季、どうでしたか?
待ち遠しいですね。