高梁市のほぼ中心の中山間地にあるピオーネの栽培が盛んな地域、宇治町。
昔から地域活動が盛んで、渡り拍子や物産祭り、納涼祭など様々な行事が行われてきた。
しかし、2005年には750人いた人口も10年で150人も減り、現在は約600人。人口減少と高齢化が進行している。
人口問題に直面している宇治町だが、高梁市の中でいち早く問題と向き合っている地域でもある。
最近では、地域で移住支援組織を立ち上げ、移住者の受け入れを積極的に行うなど、高梁市の事例紹介などで発表される機会が増え注目されてきた地域だ。今回は高梁の地域おこしの最先端、宇治町の取り組みの一部を紹介!!
【アクションプラン策定】
これまでの宇治町はイベントに交流、それに伴う会議など様々なことを盛り上げるために取り組んできた。しかし地域の問題は改善されず進む一方。人も減り、行事や役割の負担は増えるばかり。そこで、町民代表でもう一度宇治の取り組みを見直し「これからの宇治町は何に取り組むべきか」をまとめた「アクションプラン」を策定した。
アクションプランでは「人を増やす」「行事と上手に付き合う」「安心安全な暮らし」が三本柱となっており、宇治町を次世代に残すための取り組みが書かれている。全世帯に配布を行い、町民全員で足並みを揃え、地域問題を解決していく。
【移住対策】
宇治町には2つの移住支援団体がある「住むか暮らす会」と「UIクラブ」である。
住むか暮らす会では地域の空き家の調査や宇治に来る移住希望者の案内などを行っている。すごいのは、移住が決まればなんと空き家の清掃や道路整備までやってしまう移住者にとって非常に心強い支援組織。
UIクラブは移住者が中心で構成されており、定期的な飲み会などを企画。移住者同士の情報交換や集落のルールなどを伝える役割を担っている。こういった活動が実を結び、宇治町には毎年移住希望者が移住して来るなど、取り組みの成果が出てきている。
【宇治彩りカフェ】
宇治市民センターにある診療所は、毎週木曜日が診察日で高齢者を中心に市民センターに人が集まってくる。「せっかく集まるのだから、診察を受けて帰るのはもったいない、みんなで顔を合わせて交流しよう」と始まったのが、市民センターの開放とカフェの実施だった。市民センターにコタツを二基設置すると、たちまち噂を聞いたお年寄りたちの集いの場となり、そこから「将棋教室」や「パソコン教室」などプログラムが始まった。
町民が減っていく中で、諦めてしまうのではなく、減っていく中で何ができるのか、何をすべきなのかを考え、知恵と工夫で取り組んでいる宇治町は学ぶところが多い。これからも、高梁の先進事例を作り続けてほしい。