自動車教習所の希望者の柔軟な業務内容に驚きが止まらない筆者。
実際に働いている方の話が聞きたくなり、中島さんに調整をしていただいた。
そして、後日シグナルブルーを訪問。
「ちょっと2人が来るまで待ってもらえますか」と中島さん。
待っている間、目についたのは壁に飾ってある手書きの高梁案内マップだ
聞くと、絵を描くのが得意なスタッフが書いているという。
前回の取材時に言われていた「スタッフの得意な分野で力を発揮してもらっています」ということがわかった。写真では全て紹介できないが、こうした、ちょっとした気配り・演出が館内至る所にあり、居心地が良い。人気の理由も納得だ。
そんな環境で、働いているスタッフの方に話を伺ってみた。
生徒の送迎をしている中本さんと受付業務の佐藤さんの2名だ。
岡山市内で会社員だった中本さん。もともと、田舎が好きで農業に関心があり、色々と調べていたところ、総社市で有機栽培のニンジンを生産している師匠に出会った。会社員を続けながら、週末に農業を教わる生活を約10年続けたのち高梁市で農地を見つけ、現在は有機栽培の人参を中心とした農業に取り組んでいる。
千葉県から9年前に川面に移住した佐藤さんは4人兄妹のお母さん。今年から一番下の子が小学校に入学した。これまで専業主婦だったが、地域の人からこの仕事を紹介された時に二つ返事で引き受けた。
「シグナルブルーで働き出したきっかけは?」
中本:2016年末、ニンジンの種を巻いた後に全てイノシシに荒らされてしまい、生産ができなくなったんです。そんなとき、タイミング良く仕事を紹介してもらい、送迎の仕事を引き受けた。
佐藤:もともとホテルのコンシェルジュ(総合案内)とかに憧れていた。人と接する受付の仕事ができてとても楽しい。子供が通学している時間だけ働けるし、そんな場所が近所にあるのも良かった。
仕事内容はどうですか?
中本:送迎なので、とにかく事故にだけは気をつけています。特に教習所は若い人が多いのでこれからの世代を事故に合わせないために注意しています。
佐藤:教習生が何を求めているのか考えながら、声をかけている。仕事内容は教えてもらったり、分からないと聞いたりできる環境なので楽しい。
シグナルブルーのように柔軟に受け入れている企業はどうですか?
中本:自身の軌道に乗るまでの収入に充てていきたい。
移住希望者のネックは仕事なので、1シーズンや朝だけなどでも受け入れる企業があるとありがたいと思う。
佐藤:家事や子育てなど自分の仕事を優先で業務につけるので、とてもありがたい。こんな自由に働かせてもらって、仕事内容も楽しいので、周りにも自慢しています。
自分のやりたいことを優先して、仕事に取り組む。
仕事と夢の両立ができるシグナルブルーのような企業がどんどん増えると、移住のハードルが下がると感じた。
「合宿にくる生徒は若い学生が多いので、川面地域のイベントや地域の人ともコラボしたいと佐藤さん。」全国から若者が集まる教習所と連携すれば、若者が少なくなった地方も活性化し、移住したいという生徒も出てくるのではないかと、仕事だけではなく、様々な分野で教習所の可能性を感じている。