今回は筆者、佐藤が取り組む吹屋での辛味調味料の紹介です。
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吹屋でまた新たな調味料が誕生した。名前は「吹屋の紅てんぐ」インパクトのある天狗の箱を開けてみると中に入っているのは赤色のいかにも辛そうな液体。
一目見たら、あの調味料を想像してしまう。
そう、メキシコ生まれのホットソース!タバスコである。
しかし、紅てんぐとタバスコとは大きな違いがある。それは「酢」である。
紅てんぐは酢を使用せず、柚子から取れる果汁をたっぷり使っている。
柚子はもちろん高梁産、かの有名な山田方谷先生が江戸時代ゆべしの普及のため
武家屋敷に柚子の木を植える政策から始まった歴史ある産物だ。
高梁ではこの柚子果汁のことを「柚子酢」という。
柚子酢と混ぜるのは、吹屋を中心に栽培している赤唐辛子だ。
寒暖差の激しい地域で育った唐辛子はとにかく辛い。私も味見として畑で収穫したものをかじってみたが、畑で蹲るくらい辛い。
4月から無農薬で手塩にかけて育てた唐辛子たち、申し分ない出来に涙が止まらなかった。
そんな激辛唐辛子だが、柚子酢と混ぜ合わせることで驚くほど上品な味に仕上がる。
忘れもしない冬のある日、加工場に残された柚子のしぼり汁と唐辛子のペーストを何気なく混ぜたところ、輝く赤の美味しい調味料ができた。柚子の酸味が唐辛子の辛さを包み込み、さっぱり辛い仕上がりになったのである。
そこから柚子酢と唐辛子の配合を研究の日々。柚子酢が発酵・爆発するなどの失敗を経験し、今の紅てんぐが生まれた。
デザインは「紅だるま」と同じく、岡山県を拠点にあそびのデザインをテーマに活動する「COCHAE(コチャエ)」に依頼。天狗のモチーフは高梁市巨瀬町にある樹齢1200年の巨杉、「天狗の大杉」に止まって羽を休めたという伝説の烏天狗だ。
偶然生まれた吹屋の紅てんぐ、ピザやパスタ、餃子にとても良く会う。ピザやパスタは何となく合うだろうなと思っていたのだが、意外だったのは和食との相性だ。タコやイカ、タイや牡蠣などポン酢であっさり食べる刺身やレモンを絞って食べる揚げ物や焼き魚などにも相性がいい。
和食にどんどん使って欲しいとの思いもあり、ペッパーソースや〇〇スコではなく、「辛柚子酢」という和食向けの名称とした。
発売日は2017年10月9日、誰が呼んだか天狗の日、吹屋の町並みから新しい調味料をお届けします。
https://satotakunejp.stores.jp/ 佐藤紅商店HP