道端に生えた赤色の草
ちょうどこの時期、道路沿いにニョキニョキ生えている、懐かしい植物。
小学校の下校時に「ポキっ☆」と折ってガジガジ食べた記憶がある。
地域によって「シャジッポ」「スカンポ」「スッポン」など呼び名は様々で、高梁ではこれを「シャシナッポ」といい、あちこちで見ることが出来る。
正式名称は「イタドリ」噛むと甘酢っぱかった印象があり、特別美味しいわけではない。
高梁市内でもこの植物がアチコチに生えている。
小学生が下校途中に取るくらいで、大人になるにつれて忘れてしまったこの植物をこよなく愛する男が市役所にいた。
高梁市役所に勤務する細川さん。自他共に認めるシャシナッポハンターだ。
4年前、高知県に旅行に行ったときにお通しで出されたシャシナッポの味に感動して、
シャシナッポハンターになったとだという。
今では【シャシナッポアドベンチャー】というシャシナッポを収穫するイベントを企画しGW中はどこにも行かず、ひたすらポキポキ一年分を確保する。
4月29日、実際にアドベンチャーに同行してみた。
車を運転しながら群生地を探す細川さん。高級山菜のタラノメなんて目もくれず、シャシナッポを探す・止まる・折るの繰り返し。
猛禽類の様な眼差しで、運転しながら上質のシャシナッポを探す。まさにアドベンチャーだ。
ちょっとヤバイ人なんじゃないかと思うくらい、夢中になっている細川さん。(写真中央)
赤色でアスパラガス状のものが、処理がしやすく味が良いと、30本の群生の中から2・3本だけチョイスしている。闇雲に採ればいいというわけではない。細すぎず・太すぎずだ。
自身もやってみる。
スポン♪ スポン♪と発砲音を立てながらポキポキ折る作業は実に楽しい。
細川さんがハマるのも少し納得できる。GWを捧げようとは思わないが
地域の観光をしながら作業すること半日、80本のシャシナッポが収穫できた。
岡山では需要のない山菜なので、これだけとっても文句を言う人はいない。
山菜界のブルーオーシャンなのである。
さて、そんなシャシナッポ、普通に食べるとシュウ酸の影響で酸っぱく、あまり食べられないので
お湯で外皮を剥き、塩漬けして酸味を抜いて保管。
アドベンチャーではここまでを楽しむことが出来る。
後日、塩抜きをしたシャシナッポを油炒めで食べてみた。
どうも小学生の時に食べた酸っぱさが記憶にあり、あまり期待をしていなかったが一口食べて驚いた。コリコリ食べごたえがあり、中から旨味油がジワーっと出てくる。
細川さんが油との相性がスゴく良い食材と言っていた理由が分かった。これは美味い!肉より美味い!
ブログで紹介せずに、独り占めしようかと迷ったくらいだ。
今年700本収穫した細川さん。
まるで宝くじが当たったかの様な充実感が表情から滲み出ていた。
便利な世の中じゃ得られない幸せがここにあると感じた。
あと1週間くらいは収穫可能だとのこと。
みなさんもシャシナッポアドベンチャーしてみませんか?