5月16日に高梁市役所で開催された「まちづくりの新しい風」
この講演会は2年前に愛媛県双海町に視察に行き、若松進一さんの話に感動したメンバーを中心に
梁クラスという団体を立ち上げ、市役所新庁舎の落成に合わせて企画されました。当日は地域づくりに関心のある80名の方が参加し大盛況。
それもそのはず、今回の講師である若松進一さんは、地域づくり業界では超有名人。年間120日の講演で全国を飛び回り、日本中に地域づくりの種を撒かれています。
講師の若松進一さんの活躍については 物語のある地域づくり「若松進一さん」 コチラを御覧ください。
若松さんの活躍は前回のブログで見えてきたが、
ここまで熱く頑張れたキッカケはなんだったんだろうか?
地域づくりって漠然とした言葉だけど、一体どんなことをすればいいのだろうか?
これからの地域は一体どうなっていくのだろうか?
「まちづくりの新しい風」ではそんな疑問を解決するヒントが隠されていました。
■自分の町を説明できなかった青年団代表
町の青年団代表として全国大会に出たときに、全国の青年達との交流会で自分の町が全然知られていなかった。
説明しようにも愛媛県を愛知県に間違えられ、松山市を埼玉県の東松山に間違えられ
なんとか道後温泉で初めて理解してもらったが、自分の町はそこからはるか南の「双海町」・・・全く話にならず寂しい思いをした。
また、愛媛県大洲市は1966年にNHK「おはなはん」で全国的に有名になった町で、当時となりの内子町は「おはなはんで有名になった大洲市の隣の内子町です。」と紹介していた。
しかし、時は流れ「おはなはん」を知る人は減り、古い町並みで全国的に有名になった内子町。今では大洲市が「町並みで有名な内子町のとなりの大洲市」ですと紹介している。
「大事なことは、過去の町の名声は関係なく、今の自分の町をどれだけ伝えることができるのか。」
東京で寂しい思いをして気づいたことが地域おこしの原点かもしれない。
読むことすら難しい「高梁市」 いや、読める読めないではなく自信を持って伝えることの出来る地域であることが大事なんだ!「あの有名な高梁市がある岡山県です」と岡山県民に言われるように・・・
■物語のなかった町
松山工業高校のPTA会長になった6年間
自分の町を語れない双海町の子どもたちが過去の自分と重なった
一番大切な地域づくりの基本は、自分の住んでいる町の子供達に
「ここがお前たちのふるさとだ!」と自信をもって言える物語を作ることだ。
しかし、当時の双海町にはそんな物がなかった・・・。
このままじゃダメだ!地域一丸となって一生懸命まちづくりをしなくてはならないと思い組織を立ち上げた。
まちづくり30人委員会・エプロン会・まちづくり青年会議・役場のまちづくり組織などなど。そして、一ヶ月に一回学習会を開催。
いつの日も青年の輝きが必要と4畳半のいろりを囲む「煙会所」つくり青年団に教育も行う。
だが、青年たちは嫌々生活している現状。
その原因は「田舎嘆きの10か条」にあった。
■田舎嘆きの10か条
この若者たちに勇気を与えてやりたい!よし、私がやろう!!
田舎嘆きの10か条→ありがた楽しみの10か条に変えるのだ!
■ありがた楽しみの10か条
①仕事が無い→仕事を作り出す喜びがある
仕事によって、町が生まれ変わる。みんなで仕事を作り出そうじゃないか。
いい町の条件は「挨拶ができる」「きれいな花が植えられている」「公衆トイレがきれい」。
誰がやるの?行政?いや、自分たちでしないと意味が無い。
仕事=お金ではなく、掃除・清掃・あいさつの様な仕事を作り出すことで、地域が良くなって良い物語が生まれる土壌になるんですね。
②活気が無い→ 源私力を燃やすエネルギーがある。 源私力(げんしりょく):ひとりひとりの持つ力
活気とは人口ではなく、一人が何馬力出すか。「人口5万人の町が二馬力だすと10万人の町に匹敵する。」③文化がない→ 次の時代の文化を作る喜びがある。
④女がいない→ いい男がいないのが原因。ではいい男を育てようではないか→毎年2名アメリカに青年を送り出した。
⑤プライバシーがない→ 人を気遣う最高のコミニケーションがある。
⑥遊び場がない→ 時代に左右されないアイデンティティがある。
⑦良い店がない→ 自然に囲まれたいい店がある。
⑧狭い道しかない→ 車ではなく人間を優先する自然体の道がある。
⑨情報がない→ 情報は情けの報いと書く。いい人には情けをかけるので、いい人でやる気のある人には必ず情報は入ってくる。
⑩信号が3つしかない→ 何もないのは周回おくれのトップランナーです。
■努力しても努力しても縮む社会
アイデアと発想の転換で、地域づくりと地域の心に火を灯す活動を行われてきた若松さん。
しかし最近は「今の時代は努力しても努力しても縮む社会になってきたのでは??」と感じているとのこと。
そしてそのような時代の中で「地域はどう向き合っていくのかを考えなければいけない」と話されていた。
そのような時にどう過ごすのかを人生に例えて、
人間は30まで成長する。それまでは一生懸命
・本を読む
・人の話を聞く
・知らないところに行く
「しかし30歳を過ぎたら、脳の成長は止まり衰退する。少しでも緩やかにするために」
・本を読んだことを人に話す
・人の話を聞いたら書く
・見たら実践する
つまり、地域に例えると
地域→30歳を過ぎた状態
・本を読んだことを人に話す→ 事例などを読んで、人と共有する
・人の話を聞いたことを書く→ 講演などで聞いた話を書く
・見たら実践する→ 視察で学んだことを実施する
自分なりの解釈ですが、受け身から行動に切り替えることで地域の衰退を緩やかに出来るのではないでしょうか。
最後に「これからの地域づくりは次の世代にどのようにバトンタッチをするのかが大事」というメッセージで締めくくられた。
若松進一さん ありがとうございました。
http://ameblo.jp/shin-1/ 若松進一さんのブログ
https://www.facebook.com/Futaminchu まちづくり学校双海人(ふたみんちゅ)