今回は高梁市成羽町の美術館、その名もずばり高梁市成羽美術館について紹介します。
写真がことごとく夕景なのはそういう演出なのだと解釈頂ければ幸いです。
成羽美術館は、地元出身の洋画家、児島虎次郎の偉功を讃えることを目的に昭和28年に開館。岡山県初の町立美術館でした。これまでに3度のリニューアルを経て、現在は建築家 安藤忠雄氏の設計による「コンクリートの壁と周囲の緑が調和した、美しい景観」(高梁市成羽美術館HPより)を楽しめます。
児島虎次郎作品の展示以外にも、児島氏が外遊中に集めたエジプト遺物などを紹介するオリエント展示室、成羽地域で採取された日本最古の植物化石を展示する化石展示室などを有しています。
以下、簡単な概要
【開館時間】 9:30~17:00(入館は16:30まで)
【休館日】 月曜日(祝日または振替休日の場合は開館し、翌日 休館)
(12月28日~1月4日 ※変更する場合あり)
その他展示替え作業のための特別休館日は、随時設定。
【入館料】 企画展・特別展により異なる。
常設展の場合
一 般 500円(400円)
高大生 300円(240円)
小中生 200円(160円)
※( )内は20名以上の団体料金
現在は12月25日まで「アート・ビジョンvol.9 田中偉一郎の芸術はノー・ビジョン」を展示中。
どんな企画展かというと、タイトルの通り、展望もメッセージもない作品群が展示されています。芸術とはそもそも無価値性に価値があり、社会活動とか経済のために不必要な属性を付与された作品群を否定する、というような趣旨です(違っていたらすみません。チラシ、HPでは田中偉一郎氏本人のメッセージが読めますので良ければご確認ください)
この「ノー・ビジョン」展、田中氏のユーモア、というのか冗談というのか、間違い無く社会的に褒められるような意義のある作品ではないのに意味不明な諧謔、美しさに満ちていてとても素敵でした。個人的に思うところもあり、実に感動しました。
私も仕事なのでこういう文章を書きますが、本当ならこうやって紹介することだって、田中偉一郎氏の表現の真逆を行く、「ビジョンを含む」行為なのかもしれません。
このおもしろさは直接体験しないとなかなか伝わらないと思います。ぜひ鑑賞してください。
11月22日には「田中偉一郎のノー・ビジョン・ライブ」もあるそうです(田中氏が目隠しで弾き語りするらしい)。
【高梁市成羽美術館HP】
http://www.kibi.ne.jp/~n-museum/index.html
【田中偉一郎の芸術はノー・ビジョン 特設ページ】
http://www.kibi.ne.jp/~n-museum/tanakaiichiro.pdf