桃太郎はみなさんご存知の、桃から産まれた主人公がキビ団子をエサに仲間を集め、鬼ヶ島に鬼を退治しにいくという話。
しかし、高梁市成羽町の桃太郎伝説は少し違った。
昔、おばあさんが川で洗濯をしょうたら、大きな桃が流れてきた。
ウチに持って帰って、ひつの中に入れといた。
おじいさんが戻ってきてから一緒に食べようとひつを開けた。
そうしたら、ひつの中で男の子が織り機を織りょうた。
おじいさん・おばあさんは大喜びして、その子に「桃太郎」と名付け大事にした。
ある日桃太郎が「キビ団子をしてくれぇ。鬼退治にいくけぇ」というた。
おばあさんは、臼をゴーリン・ゴーリンひいて、大きなのを3っつしてやった。
桃太郎はそれを持って、鬼退治にでかけた。
キジが来て、
キ「腰のキビ団子を一つつかあせえ、おともします」
桃「一つはどうなん、半分やる」
今度はカニが来た
カニには残りの半分をやった
次に鳥が来た
これにも半分やった
それから、ドングリが来た。
ドングリにも半分やった。
それから、みんなで島に行った。
桃太郎は
「ドングリは囲炉裏、カニは水瓶、ウスは庭のところに上から下がっとれ」とみんなを隠れさせた。
鬼が入ってきて、囲炉裏のそばにいったら、ドングリが弾け目に入る。
熱いと水瓶に入るとカニがはさみ、外へかけ出したらウスが落ちて押さえつけられた。
そうして、鬼退治をして、宝物をひいて帰った。
めでたし・めでたし
色々と突っ込みどころのある話。
伝言ゲームの様に、人から人へ話しているうちにこんな事になってしまったのでは無いでしょうか。
それにしても、鬼は何も悪いことをしていないのに、ひどい目に合わされて、宝を取られて可哀想・・・。
成羽町史に掲載されていました。